記憶はどこに消えた?

記憶はどこに消えた?

音楽と漫画、海外ドラマにガジェットのレビュー及び備忘録。

HUAWEI P20、2周回遅れのレビュー

購入動機

ついにnova lite 3の遅さに耐えられなくなりました。 

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 上の記事でも書いたのですが、やはりeMMC+RAM3GBという組み合わせは特にAndroid10になって以降基本的な動作においてすらもたつきが酷く、メイン端末として使っているとフラストレーションが加速度的にたまる為、早急に買い替えを決意しました。

楽天モバイルの回線品質は一通り試し大体どんな感じか掴めたので次の端末は楽天対応端末でなくてもいいかな・・という事でXperiaやReno等検討していたのですが、ふと以前より気になっていたHUAWEIのPシリーズ無印を検索していた所P20がヤフオク等で2万円程度と、かなり手頃な価格になっていた為購入してみました。

P20といえばライカ監修のデュアルカメラが2018年発売当時話題になり、またSoCにKirin970、RAM4GB/ROM128GB(UFS)、メーカー独自の高速充電対応、防滴防塵、DSDV等当時として高水準のスペックを搭載したにも関わらず実売7万円程度と攻めた機種ではあったのですが、上位機種のProとMVNO各社を介して多く売れたliteの間に挟まれ、ある意味中途半端な存在ではありました。それだけに相場が下がりやすい状況にあると言えます。

実際使用してみるとまず5.8インチベゼルレスというサイズが圧倒的に良く、多少厚めのケースに収納しても片手で使用できる合理的なデザインとなっています。

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凝りずにまたブルーを購入したのですが、ガラスパネルも相まって美しい青色となっています。写真が悪いので伝わりにくいかもしれません。

体感速度に関してはかなり速く、UFSストレージの恩恵を感じました。もたつきがありません。SoCの性能については重いゲーム等プレイしないのでよくわかりません。ベンチマーク上ではSnapdragon830程度の性能はあるようです。十分すぎる程ですね。

評価の高い点として昨今ではベゼルレスブームにより廃れてしまったホームボタンが搭載されており、絶妙に便利です。背面指紋認証も便利ですがホームボタンが搭載されていたiPhone歴が長い筆者としてはやはり前面での認証が好きです。最近話題の画面内指紋認証は気になっています。搭載機種を買ってみたいですね。

カメラに関しては素人目にみて綺麗な写真が撮れます。ただしそれ程写真に興味がない為、今回も詳しくはわかりません( ◠‿◠ )

 

おわりに

貧乏で昨今の高価格スマホ市場についていけないという事情はさておき(すごく哀しいです)、旧ハイエンド端末の特に微妙な売れ方の端末に関しては相場が激下がりしていたりするので調べるのも買うのも楽しさがあります。ただ発売から時間が経った中古との事で当たり外れがあるので出品者の見極めや情報収集が大切になると思います。今回購入した端末は運良く状態が良かったです。バッテリーの消耗もあまり感じられず、前オーナーがどういう使い方をされていたのか少し気になる所ではあります。

あと、判ってはいましたが今回スマホ相場を調べていて改めて思い知った事があります。それは

iPhoneの中古は異常に高い!!

ということです。南無。

 

 

 

 

うどん脳、異次元の生物(パート1)

はじまり

さて突然ですが、私が数年前神戸から香川県に移住してしばらくして、ふとした事から香川県にもご当地マスコットキャラクターが存在する事を知りました。

その名はうどん脳

外見↓

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出典:うどん脳HP

このキャラクターを見た時、なんだかよくわからない感情に襲われました。グロテスクにすら感じる異様なデザイン、名称、存在感。これはギャグなのか?それとも己が県民性の自虐なのか?或いは税金で海外旅行に行き謎のゲーム条例を通した議会による迷走なのか?真意が全くわかりませんでした。

それからしばらく存在を忘れていたのですが、最近県内で当キャラクターを目にすることが多くなったように感じられどういう存在なのか再び気になり始めた為、いよいよ向き合って調べてみる事にしました。恐らく数回に渡って記事を書くと思われます。遺憾です。

 

うどん脳とは

まずうどん脳をめぐるストーリーがあるようなので、HPよりそのまま掲載します。

饂飩が大好きで、饂飩ばかり食べてたら・・・

ある朝、目覚めると「うどん脳」になってたツル!

自分の姿にビックリして・・・
サンポート高松の赤灯台で泣き崩れていたらオカピおじさんに保護されて、そのまま、居候中ツル。

世界中に、笑いと元気と癒し・・・そして「さぬきうどん」を広めるために、毎日かけ巡ってるツル!

ツルツルウエイ!

出典:うどん脳HP

ツルツルウエイ!オカピおじさんて何なん?キャラ本人に対するプロフィールも引用するツル。

『世界の珍妖怪大百科より

  饂飩の事しか考えてないのか、ド天然な性格。
  饂飩を食べている時と、寝ている時だけ静かにしていられる。
  時々、夜中に麺ション(テンション)が上がる。
  渾身のギャグが、かなり滑る時があるらしい。
  そして、空気読めない時があるらしい。
  うどん脳だけに、記憶力弱いらしい。

名前 ツルきゃら うどん脳
性別 不明(元人間の妖怪)
誕生日 2011年7月7日の釜揚げ生まれ
血液 イリコ型
大きさ 7センチ〜約2メートル
仕事

★うどんタクシー見習い運転手任命(new!)
★ウルトラうどんマラニック大会名誉会長任命

香川県医師会公認『ドクターうどん脳』
★さぬき映画祭PRキャラクター
★本場さぬきうどん協同組合公認『うどん大使』-
(2012年任命)

出没ポイント 主に饂飩屋、気分でその辺をブラブラしてるツル
好物 ●ちくわ天
●うどんのみみ(平べったい部分)→「ペロリ」を食べれると一日幸せツル
●食べ終わった後の、出汁に浮いてるネギ
●コーラー●うどん

出典:うどん脳HP

 ちくわ天。

この謎に作り込まれた設定。この変質的妖怪が2011年から存在していたというとんでもなく滑った事実。脳がむき出しという致命的グロテスクかつ危険な障害を抱えていますが、意外と能天気なようツル。うどんを食べている時と寝ている時以外はうるさいらしく、まるでさぬき市の国道を毎日珍走する暴走族ツル。恐らく前世の姿ツル。

プロフィールを知りツルツル疑念が深まったツルが、ここまで調べただけで謎の精神的負荷を感じ麺ションが下がった為、今回は紹介のみに留めるツル。続きは後日とします。誰に需要があるのかわかりませんが。

あと、とりあえずちくわ天は食べます。

ついでに以前行って美味しかった、極太麺で人気のさぬき市のうどん屋・溜さんで肉うどんを食べて来ようと思いました(感想)

 

追記

オカピおじさんとはデザイナーで作者の岡谷敏明氏の事だそうです。オカピという愛称を持っており、高松市オカピデザインという事務所を構えているとの事です。2012年よりさぬきうどん協同組合の公認うどん大使に任命されているようで、うどん意識の高さが伺えます。まさにツルツルウエイ!

 

 

 

HUAWEI nova lite 3、ようやくレビュー!!

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購入動機

すっかり楽モバユーザーとなった私ですが、Rakuten miniに飽きた為次に使う楽天回線対応端末を探していた所、以前より気になっていた格安スマホnova lite 3がiijのばら撒き案件等の影響で思ったより新品の相場が安くなっておりまして、思い切って購入するに至りました。

コストパフォーマンスの凄さは知っていたものの、なんとなく信頼できない気がして今まで避けていたHuawei端末ですが、やはり低価格の割にはブルーライト軽減モードを含めた液晶のレベルやカメラ、筐体のビルドクオリティといった点で優れており、これは売れる筈だと感じました。もっとも、アメリカに規制されGMSを搭載できなくなった今となっては過去の隆盛となりつつあります。ただし国際的に売れなくとも内需だけで恐らく何とでもなるのが中国企業の凄い所です。

 

 スペック

簡単に性能をまとめていきます。

  SoC:Kirin710

 メインメモリ:3GB

 ストレージ容量(emmc):32GB

 ディスプレイ:6.21インチTFT液晶

 バッテリー:3400mAh

 重量:160g

 カメラ:1300万画素+200万画素(背面)1600万画素(内側)

 おサイフケータイ:なし

 充電端子:microUSB

 SIM:DSDV対応

 Band(LTE):1 / 2 / 3 / 8 / 17 / 18 / 19

 

長所 

安いです。そして中華端末優等生的にまとまったスペックとなっており、日常使用にはまずまず十分な水準となっております。購入前は少し大きいかなと感じていた6.21インチ液晶ですが、ベゼルレスのお陰でそれ程でもなく片手での取り回しが割りとしやすい設計担っています。またHuaweiブルーライトカットモードがキッチリ搭載されているのがいいですね。常に目がやたら疲れている私には必須の機能です。年々白色がギラついてきつく感じる中年の哀れさよ。

しずく型ノッチにも好感が持てます。いっそベゼルにすればいいのでは無いか?とiPhoneのノッチ等を見て常々感じておりましたが、しずく型は通知領域が広く使え機能的だなと感じました。これまでiPhone7plusやXperiaXZ2、XA2等比較的ベゼルのある端末を使っていた私でしたが、ようやくベゼルレスに対応できたようです。

バッテリー持ちが非常によく、DSDVで使用して1日余裕で持ちます。使用方法によっては複数日に渡って使用できると思います。ただしこれは後述する不満点のタスクキル問題とトレードオフだと思います。

カメラは割と良さそうですが、私はメモ程度にしか使いませんのでよくわかりません。ちなみに撮影した文字はかなり鮮明に読めます。なので良いと思います(適当)。

 

耐え難い所

まずはエントリースマホでお馴染みのコストカット用部品microUSB端子です。最近ではこの端子を見る度、使う気をなくす程に萎えます。遅い給電に低い耐久力、まさにピース・オブ・シット。

そして3GBのRAMにemmcストレージ。android10は実使用上メモリ3GBでは満足に使えないと思います。このスマホはコア性能は決して悪くありませんが、結局メモリとストレージの問題でもたつきます。

Huaweiのカスタムandroid、EMUI特有の過剰なタスクキルも問題です。バックグラウンドタスクを頻繁に落とすことでバッテリー駆動時間を延ばしている事は理解できますが、設定項目からアプリ手動管理設定をしても大して変わらず落とされまくる現象は理解に苦しみます。ただネットのフォーラムを参考に、タスクを落としている内部プログラムをADBコマンドで切ってみた所それなりに改善されました。効果はあるようです。システムに異常が出る可能性があるので、お手持ちの皆様は気軽に試さない方がよろしいかと思います。

最後に、これは個人的感想なのですがこの謎のギラついた背面ブルーのダサさ。

ゲーマーをイメージしているのでしょうか?確認した所ブルーだけでなくブラックもギラギラ光っています。マットなカラーを望みます。しかしあくまで私の意見でありこれが好みの方もいらっしゃると思います。或いは中国では流行っているのだろうか?

 

おわりに

不満点をつらつらと書きましたが、全体的にはキッチリ纏まっていて使いやすい端末だと思います。何より対応しているキャリアが多くその点では優秀です。価格が安いという最強の長所もあります。ベゼルレス液晶もしっかりしており安心感があります。

先日24800円でXiaomiより発売された価格破壊スマホRedmi note 9SやOPPOの各廉価端末を筆頭に、安くても使いやすく面白いスマホが国内でも増えており昨今楽しく思います。輸入する必要がなくなったのは本当に楽です。情報を共有していきましょう。

いまいち信用できない楽天モバイル、またしても総務省介入

この所ぼちぼち話題になっていた事柄なのですが、当ブログでもレビューした面白く野心的な楽天モバイルの端末・Rakuten Miniについて、問題が発覚しました。

5月以降生産の機体の対応バンド(周波数)に勝手に変更が加えられており、なおかつそれを総務省に届け出ておらず電波法に違反した疑いがあるというものです。それに伴う技適マーク取得も怠っていたようです。

対応バンドに関して具体的には、当初Rakuten Miniは多数のキャリアがメインバンドとして採用しているバンド1対応を謳っており、つまり一部他社(eSIMに対応しているキャリアが殆どないため、実質仕様できるのはIIJmioのみだと思います)のSIMカードで通信する事が可能だったのですが、今回そのバンド1が削除され、代わりに海外等で仕様されているバンド4を追加していたという事情です。ちなみに、そもそもバンド3・バンド18にしか対応していない楽天モバイル回線のみで使用する場合は使用上全く影響はありません。ユーザーの方はご安心下さい。

この変更はユーザーに知らされておらず、この事から楽天モバイルが意図的に変更を行ったのか製造委託先のTinnoが勝手に仕様を変更したのかよくわからないのですが、ともかく現在ではHP上にお詫びが掲載されており、技適マークも取得済みとの事です。

総務省は今後の対応を検討中との事で、楽天モバイルの対応によっては大規模な端末回収があり得るという事でしょう。

これまで楽天モバイルは度々通信障害を起こし、利用者の利益を著しく損なうとして総務省より計4度の行政指導を受けています。やはり新規MNO参入との事で回線トラブルが多数発生しており、直近では先月5月にも通信障害を起こしています。社会インフラと化した携帯電話事業では回線トラブルによる被害規模がとてつもなく大きく、容認できる事ではないと思います。こうした状況からそもそも楽天モバイルはMNOとして運営していけるのかどうか懸念を抱く要素が多く、不安な先行きを感じた方も多いのではないかと思います。楽天という会社自体派手なキャンペーンを打ちユーザーに訴求する一方でずさんなサポート対応など不安要素がいくつもあり、楽天モバイルもその体質を受け継いでるのではないか?と私個人は邪推してしまいます。

 

おわりに

今回のような問題があるとはいえ、やはり1年間回線無料+端末1円という施策を打ち出した姿勢は評価できるもので、特に影響を受けた他社も回線代引き下げに動く事に期待したいです。日本の大手キャリアの回線代は多少マシになったとはいえ、いまだ高いと思います。ゴタゴタした懸念点に留意しながら、うまく新興回線と付き合いたいと思いました。

なお私は早々にeSIMをnanoSIMに切り替えRakuten Miniは既に放流した為、ぶっちゃけ今回の事案は対岸の火事ではあります。楽天モバイル回線に対応している格安スマホHUAWEIのnova lite 3を調達してみた為、後に軽くレビューをしたいです。あのメーカー特有の背面色、ギラついたオタクブルーが目にも心にもきついです、割と。

上で書いている携帯のバンドについては当ブログでも簡易的にまとめておりますので、ご一読下さい。

 

kiokudoko.hateblo.jp 

 

ふふ、謎のDIY女学生漫画、スクール×ツクールを読んでる。

先日も先日とて就寝前に漫画アプリのマンガワンをポチポチ閲覧していると、なにやら混沌とした漫画が目につきました。

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出典:ゲッサンHP

まず、RPGツクールを連想させるタイトルが怪しい。更に、ポップで正統派的な可愛さのある絵柄が逆に怪しさを加速させます。作品説明文を読んでみましょう。

あんなこといいな!できたらいいな!
はい!DIY!!!

文芸部・中原奈子が校舎裏で出会ったのは、
真剣な顔でゴミを品定めする美術部・立川きずく。

ただ部室で使える本棚を探しにきただけなのに、
いつの間にか、きずくの壮大な計画に巻き込まれて・・・!?

『我輩の部屋である』の田岡りきと人気イラストレーターwoguraの
ゲッサン新黄金コンビが贈るDIYスクールコメディー開幕!

出典:ゲッサンHP

はい!ほのぼのやばい(造語)。

とはいえ私はカオスな作品が大好物なので、喜び勇んで読み始めました。

本作は文系女子で控えめな主人公が、文芸部室にできたデッドスペースに置く棚を部費を使わず調達する為ゴミ捨て場に向かった所、都合よく棚を捨てようとしていた頭にゴーグルをつけた変な美術部員と出会う事から始まります。その後なんだかんだで一緒にDIYをする事になり、次第に主人公もDIYの楽しさを知っていくという実に爽やか(?)かつ現実には到底起こり得ないストーリー展開となっています。斬新です。

当然各話DIYが行われ美術部員がホイホイ工具を出してきたり使い方を教えたりするのですが、意外と専門的でしっかりした描写がされており、日曜大工の参考になります。キャラの心情もほのぼのと描かれており、特に私が感銘を受けたシーンがこちらです。

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出典:マンガワン

ふふ、感動的です。

社会経験ほぼ0の私ではありますが、職業訓練の電気科に通っていた時の事を思い出しました。工事に使用する様々な工具を見て、ワクワクドキドキしたものです。そういった感情をこの漫画はよく表現していると思います、個人的感想。

蛇足ですが女学生の腕力でドリルドライバーを支える手なしで軽々使用している事に少し違和感を覚えました。既に熟練の経験により鍛えられているのかもしれないね、もしくはミオスタチン関連筋肉肥大(嘘喰い参照)。

ちなみにこの少女は頭にゴーグルを付けているものの現時点で使用している様子はありません。あくまでファッションということなのです。

 

おわりに

一風変わった題材にゆるゆわ日常系要素をMIXした意欲作であり、多くの方におすすめの漫画です。楽しく、可愛く、自分でもDIYをしたくなります。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふ、ラチェットになってる。

 

 

 

Netflixバキ大擂台賽編、視聴ッッ

さて、6/4に待望のアニメ版「バキ」第二部であり、屈指の名作死刑囚編が終わりバキが窮地に陥る事から始まるこのシーズンがNetflixにて全話公開となりました。

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出典:(C)板垣啓介/バキ制作委員会

 バキについて

あまりに有名な為説明は不要のような気もするのですが、「バキ」板垣恵介先生の描く格闘漫画、「グラップラー刃牙」の続編にあたります。地上最強の生物と謳われ因縁のある実父・範馬勇次郎に勝利する為に主人公・範馬刃牙が猛者と格闘し成長していくという大筋のストーリーを残しつつ、前作より更に濃い板垣イズムを表現した快作となります。名言(あるいは迷言)名シーン(ある意味でギャグ)の多さでも有名で、いろんな媒体でネタとして取り上げられたり、真面目に議論されたり、漫画ファンの間では既に文化と言っていいレベルで浸透している作品です。

グラップラー刃牙」では主人公バキの幼少期や裏格闘トーナメントで勝ち上がっていく成長の過程が描かれますが、「バキ」ではトーナメントの勝利によって既に有名な格闘家として名を馳せたバキがさらなる試練に巻き込まれていくストーリーが描かれます。

複数の驚異的な身体能力・戦闘力を持つ死刑囚がある時同調意識を感じ、いかにも作者板垣先生的発想である「敗北を知りたい」という感覚を満たすため、バキ等屈指の強者が固まっている(日本の漫画作品ではお馴染みですが、バキにおいても最強民族は日本人という設定である)東京を目指し脱獄する事から始まる前半部の「死刑囚編」と、中国にて行われる最強の武術家を決めるトーナメント・大擂台賽にバキが参加する事になる後半「大擂台賽編」という大きな2つのストーリーに分かれており、今回Netflixで一斉公開されたのはこの「大擂台賽編」のアニメ版となります。

 

アニメを観て考えた事

前半シーズンの「死刑囚編」に続き引き締まったアニメとなっており、気合の入った画力、アクションシーンのCG表現、マッチした声優、煽りまくる音楽とナレーションと巧みに作り込まれており、思わず引き込まれてしまいました。私は漫画版バキシリーズの中でも特にこの「バキ」が好きで何周も読んでいるにも関わらず、新鮮な気持ちで観ることができた事に驚いています。父・範馬勇次郎の迸るオーラや中国拳法の達人烈海王の派手なアクション等勢いのあるシーンはより勢いづいて描かれ、バキと恋人の微妙なシーン等しっとりさせる所はしっかりと表現し、満足度の高いアニメでした。そしてそれを全話先行配信するNetflixはいつもながら進んでいるなと思いました。いい表現が思い浮かばずすみません。

 

おわりに

おそらくバキシリーズの読者・視聴者の大半は男性、中でも私のような中年が多いと思うのですが、若い方や女性の方にも自信を持たずオススメしたい作品です。作品を通して何度も語られる、ひたすら最強を目指し続ける「超雄」という表現からも女子供お断りの全く現代的ではない雰囲気がプンプン漂っていますが、イロモノ見たさになんとなく作品に触れて頂きたいと思います。そのうちごく普通にハマっていると思います。

裏返ったッッ!!!

 

 

チェイサーゲーム、ゲームクリエイター情熱漫画

筆者は漫画を読む事を趣味としており、今日も今日とてネットで面白そうな漫画を探していたのですが、やがてチェイサーゲームという漫画の表紙がふと目に入りました。コレ↓

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出典:Amazon

 コントローラーを持った長髪美少女。表情から察するにどこかヤンデレである事が明らかなこの表紙案件、タイトルに〜ゲームがついてる事からもよくある学園デスゲーム或いはバトルロイヤル作品なのかな・・と若干食傷気味になりながら恐る恐る1巻を読んでみた所、冒頭からデスゲームの雰囲気は微塵もなく逆に動揺しました。

この漫画チェイサーゲームの原作は現存するゲームクリエイト会社サイバーコネクトツー松山洋社長が書いており、業界の裏表を知り尽くした作家による専門知識を使いつつも非常にわかり易く描かれた内容に仕上がっています。この漫画を読んで恥ずかしながら初めて知ったのですが、サイバーコネクトツーは2000年頃一大ブームとなったメディアミックス作品.hackの制作会社との事で、当時を思い出し懐かしい気分になりました。余談ですがアニメ版.hackのBGMはゲーム音楽家で有名な梶浦由記さんが制作しており、民族音楽エレクトロニカをMIXしたような作風が大変素晴らしくCDを購入してヘビーリスニングしていた記憶があります。


.hack//SIGN OST: The World

 出典:You Tube

チェイサーゲームよりむしろ梶浦由記さんについて記事を書きたくなってきましたが、またの機会にするとしてそれは一旦置いておきます。

本作はゲーム会社に務める主人公(30)が昇進し管理職になる事から始まる、楽しい楽しい(?)お仕事リアル漫画となっております。怒涛の内輪ネタで構成されており、現実に起こったであろう企業問題をベースに起伏のあるストーリーが進行し、そのうちグイグイ読者を引き込みます。また普段ゲームはプレイしていても大半の人にとって馴染みのないであろう制作現場の事情を伺い知る事ができ、驚きと共に勉強になる事柄が多いです。特に事故や事件等が起こった際に起きる社会不安がもたらすゲームへの影響については目からウロコでした。

また話と話の間にデバックルームと称された開発コラムが収録されており、これがまた面白く為になります。漫画中の解説と共に裏話が語られたり・・。作中で松山社長は大変カリスマ性のある人物として描かれているのですが、決して脚色では無い事がそのコラムから伺えます。それにしても凄い自信家ではあります。

ストーリー中「ゲームを作りたいという熱意が何よりも大切」と何度も繰り返し描写されており、その事を何より読者に伝えたい社長の思いが伝わってきます。そして熱い情熱を持ったキャラクター達につい感情移入してしまいます。思いがけず啓発されます。

作画を担当する松島幸太朗先生の事を私は当作で初めて知ったのですが(一瞬ラグビー選手か?と思いました)、硬軟使い分けた描写が上手くその点も間違いなく本作の魅力を引き出していると思います。

私的な感想ではあるのですが、作中登場する少し幼くコミカルな外見に描かれているマスコット的な女性社員の仕草やうなじが妙に滑らかで色っぽく描かれている時があり、松島先生の技量を感じました。OLフェチなのは間違いなし。

おわりに

数年前ブームになった、可愛い女子達によるゲーム制作漫画「NEW GAME!!」のようなほんわかとした内容も癒しになり良いですが、当作のような骨太でリアルなゲーム制作漫画も何か、凄く良いなと思った次第です(語彙不足)。

ただnoteの松山社長の記事で読んだのですが、どうも2019年の時点ではこの漫画の消化率は悪く、打ち切りの危機に瀕していたようです。私は続きが読みたくて仕方ないのでそれは困ります。売れて欲しいです。アニメ化までいっちゃえば。

私も微力ながら支援させて頂きたい・・と思いました。

しかし思っただけ。貧乏故。

なお当該記事はこちら、原作者がこういった経済的事情を細かく説明するというのも面白いです。

note.com