記憶はどこに消えた?

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なぜ満腹でも甘いものを食べられるのか、別腹を探る

私はパートをしている(自己紹介参照)のですが、昨今のコロナウィルス情勢のご多分に漏れず勤務先が短縮営業となり、パート社員全員の勤務時間が短縮または休職となりました。そんな事に鬱屈としながら1時間に数本しかない帰宅電車に乗っていたのですが、ふいに友人からLINEが届きました。曰く、

なぜお腹が一杯でも甘いものは食べられるのか分からない

との事で、私自身もさっぱり分からなかったのでここに情報をまとめます。ちなみにその友人にも私にも過食症の気があります。そう、中年太りである。

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まず広く知られている事柄ではありますが、この手の話題で必須と思われる、満腹中枢について簡単に書いていきます。

満腹中枢は食事を司る中枢神経で、血糖値により刺激され満腹感を生じさせます。また噛むことにより満腹中枢が働きやすくなる事もダイエット界隈などで有名です。

それでは何故満腹中枢が刺激され満腹を感じた状態でも別腹的に甘いものを食べられるのでしょうか?

ここで分かりやすい記述を引用します。

人間の脳というのは「食べたい」「食べたくない」などの二元論でとらえきれるほど単純ではありません。匂い(嗅覚)、色や形状(視覚)、味付け(味覚)、食感(触覚)、あるいは過去の記憶なども複雑に絡み合ってこれらの中枢に刺激を与えています。そのため、胃腸の食物残存量による「実際の空腹・満腹状態」と「脳が感じる空腹・満腹」との間には実は乖離があるのです。

このため、実際には満腹だったとしても、摂食中枢の働きが満腹中枢のそれを上回れば、食べたいという欲求は生じます。そして、食事は先ほど説明した消化経路で部分的に一定時間の滞留はしつつも、順々に後の経路に向かって動いているわけであり、要は隙間が生まれるので、食欲が生じれば食べ物を口から消化経路に入れることは可能です。

出典:「甘いものは別腹」は本当? 嘘?? - 理由と併せて医師に聞いてみた | マイナビニュース

摂食中枢とは満腹中枢の反対の働きをする中枢神経で、血糖値の低下により刺激され空腹感を生じさせます。また上の引用記事にもありますが、食べ物に対する過去の経験や五感への刺激による期待感などによってもこの神経が働くようです。好物を目の前にすると唐突にお腹が空いたような気分になる事がありますが、これも摂食中枢によるものなのですね。

また、食べた物が消化経路を進んでいる限り食欲が生じれば食事が可能という記述には度肝を抜かれました。そうすると自らの消化スピードを把握して食物を摂取し続ける限り永久に食事が可能という事になりそうです。とんでもないです。

これで満腹状態でも甘いものを食す事が物理的に可能であることが分かりました。

次に、なぜ満腹状態でも甘いものが食べたくなるのかについてもう少し書いていきます。

満腹感には味覚も大きく関わっているらしく、同じ物を食べ続ける事でその食べ物の味や風味に対し飽きが起こり、感覚特異的満腹感という聞き慣れない感覚に陥るそうです。つまり味の傾向や風味の異なる複数の料理を並べる事で感覚特異的満腹感が薄まり、食事に飽きにくくなるという事です。食後のデザートはまさにそれです。こういった働きにより別腹は作られていくようです。

 

まとめ

さて、ここまで書いてきましたが、食欲は満腹になるか否かという単純な要素では語れず、複数の要因が関係している事がわかりました。そして当たり前の事なのですが、人間の欲求にはつくづく身体・物理的な理由が伴っており、根拠があるのだと再認識しました。

本稿を呼んで頂いた皆様は、もうおわかりかと思います。

色んな種類の料理を並べ、摂食中枢を刺激し、感覚特異的満腹感に陥らないように辛いものと甘いものを交互に食べる・・そうすれば恐らく永遠に食べ続ける事が可能です。

ストレスを紛らわすには、食べるしかないのだ...!