記憶はどこに消えた?

記憶はどこに消えた?

音楽と漫画、海外ドラマにガジェットのレビュー及び備忘録。

空前の名曲、吉幾三のと・も・子について少しだけ語・る・よ

今回は楽曲を紹介します。


と・も・こ 吉幾三

出典:You Tube

サムネイルから既に只者ではなく渋いです。

演歌歌手として有名な吉幾三ですが、若かりし頃なかなか芽が出ず、改名したり楽曲のジャンルを模索し試行錯誤したりと意外と苦労している事が知られている歌手です。

コミックソングと演歌路線を推し進めていた80年代半ばに恐らく日本最初のラップ楽曲と思われる、かの有名な俺ら東京さ行ぐだで大ヒットを飛ばします。更にそれ程間をおかず発表した演歌の雪國でオリコン1位を獲得し、名声を不動のものとしました。

多数の曲の作詞作曲を自身で手掛けており、作曲家としても歌手としても成功した音楽家と言えます。

近年ではその魅力的な存在から某動画サイト等でIKZOとタイトルに冠されたRemixやマッシュアップ、またネタ動画化がされていたり幅広い層から注目され愛されています。

さて表題のと・も・子はその吉幾三が78年に発表した楽曲です。津軽弁の軽快な語りではじまり一聴するとフォーク調のコミックソングにも感じられるのですが、聴くにつれ感情的で情熱的な歌詞が展開される切ないラブソングとなっていきます。

歌詞を見ながら聴いていきましょう。

とも子と二人で暮らしてた頃、ハッピーでナウな日々だった。

'買物に行って来まーす'ってとも子。'行ってらっしゃい、 気いつけてね'ってわたし。

それっきり かれこれ一年にもなるべか。買物に行ったきり 一年も帰って来ないオナゴって、どこにいるもんだべか?

さみしくて、恋しくて、 とも子のはいてたパンティーいつも 頬づりしてるの。 たまにかぶって歩いたりしてるの。

'とも子歯のキレイな人キライ、 髪の毛キチンとわけてる 人もキライ。 男のくせにオーデコロンつけてる人大キライ! とも子どんな汚いかっこうでもいいの、心のキレイな人なら' って云うから、わたし一年ぐらいだべか、歯も磨かな いで、頭の毛ぼさぼさで、 風呂なんか入ったこともネェ。 したらとも子'汚なすぎる!'って・・・

とも子捜して旅に出た。 盛岡、仙台、福島、山形、 グルっと回った。とも子の田舎 秋田だって聞いて、秋田たずねて行った。 そしたらアパート の管理人が出て来て 'ああその人ならたった今引越しましたよ'って。 どこへ行ったか分かりますかァったら' 青森に行くようなこと 言ってましたョ'って。青森たずねてみれば、 別人でスンゴクきれいだったりして・・・

秋の函館とも子の居る所わかった。アパートの下から、とも子 俺だョーったらとも子窓から顔ベローと出して、 いきなりワーッと泣いて。 どうしたの?とも子大きなお腹して、 食べすぎたのったら'子供できたの'って。 アレー誰の子供なのってたずねれば '知らない'って、 涙コひとつポロとながして・・・

かわいそうなとも子、あれから3回目の秋だ、 とも子が死んでから 3回目の・・・3回目の秋だ・・・・・・

この歌を貴方に聞かせたかった

この歌を貴方に聞いてほしかった

この海の向こうに 旅に出た君に

間に合わなかった 花束のかわりに

貴方のために作った この唄 二人の愛の唄

この歌を貴方に聞かせたかった でも今は居ない貴方に 遅かったラブソング

この愛を貴方と育てたかった

この胸を貴方に打ちあけたかった

あの星の向こうに 旅に出た君に

渡せなかった 指輪のかわりに

貴方のために作った この唄 二人の愛の唄

この愛を貴方と育てたかった でも今は居ない貴方に 遅かったラブソング ララ・・・・・・

とも子、とも子 遅かった ラブソング

出典:nana-misic.com

訛りのきつい、いかにも不器用そうで歯を磨かず髪はボサボサで風呂に入らない男のハッピーでナウな日々から語りが始まります。

日々募る思いがあったのでしょう、とも子は突然蒸発してしまうのですが、それから1年が経ち、男はとも子を探しに行く決心をします。恋人の失踪による喪失感をパンティーを被ったりして紛らわしていた男でしたが、ついに東北地方を周る旅に出ることにしました。

この期に及んで「久しぶりに会ったら別人でスンゴク綺麗だったりして!」などと呑気に振る舞う男でしたが、青森から函館に渡り、ついにとも子と再開します。

この時点で不穏な空気、凶兆を感じさせるのですが、その予感は現実のものとなります。

とも子は妊娠していました。

誰の子なの?ってたずねれば知らないって。

この情感溢れる語りについ引き込まれます。

そんなワケありでかわいそうなとも子でしたが・・・季節は巡ります。

そして、とても言葉では言い表せない悲しい出来事があり、それから3回目の秋になっていました。

男は歌います。

とも子へのラブソングを。

花束と指輪の代わりに、星の向こうに旅に出たとも子に、心からのラブソングを。

何もかも遅すぎたラブソング。

 

歌詞というよりもはや詩ですが、この情景がありありと浮かんでくるような世界観の文章を軽快なフォークに載せた吉幾三はやはり卓越した作曲家だと思います。またカラオケで歌ってみたりYou Tube等で歌ってみた音源を聴いてみるとわかるのですが、あの津軽弁での迫真の語りは常人に容易に真似できる事ではなく、語り手としても素晴らしい技量を持っている事がわかります。

吉幾三自身が一体どういう状況下でどういう精神状態のもとこの曲を作ったのかまるで謎です。そしてこの曲の6年後俺ら東京さ行ぐだを書きその2年後雪國を書いた彼はどう考えても常人ではありません。

この機会に、もっと聴き込んでみようと思います。

マッコイ・タイナー!!!ライブ・アット・スイート・ベイジル(`・ω・’)

最高にかっこいいピアノトリオ・アルバムのご紹介です。f:id:nitamago8:20200517210050j:plain

マッコイ・タイナー:ライブ・アット・スイート・ベイジル

パーソネル:マッコイ・タイナー(p)エイブリー・シャープ(b)アーロン・スコット(ds)

DISC1

1.クレッセント 2.モンクス・ドリーム 3.ターン・ザット・ドリーム 4.スイート・ベイジル・スイング 5.ラウンド・ミッドナイト

DISC2

1.イエスタデイズ 2.リオ 3.ドント・ブレイム・ミー 4.ジャスト・イン・タイム 5.ナイーマ 6.ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン

 

ジャケットからしてイケているこのアルバムは、偉大なジャズピアニストの10指に入るであろう神域のピアニスト、マッコイ・タイナーによるニューヨークのクラブスイート・ベイジルで収録されたアルバムとなります。

この作品の制作レーベル、パドル・ホイールはキングレコード傘下のレーベルで、つまりは日本企画のアルバムとなっています。

本作は1989年録音ですが、この年頃のマッコイはジョン・コルトレーン・カルテットのピアニストとして活躍した60年代、独立し鮮烈な作品をゴリゴリ出していた激動の70年代を経て少し落ち着いた時期であり、スタンダードを中心とするライブ盤といった秀作を複数録音しています。個人的には、マッコイだけに限った事ではありませんが実験的なスタジオアルバムよりもオーソドックスなライブアルバムの方が好みです。やはりそういった作品はいつでも、物理的または精神的にどんな状態であっても割とスンナリと聴く事ができ、重宝します。

さて曲を聴いていきましょう。

DISC1開幕からコルトレーンの難曲クレッセントが炸裂します。めちゃくちゃ熱いです。怒涛のマッコイフレーズの洪水に頭がおかしくなりそうです。そして我らがセロニアス・モンクのモンクス・ドリームへと続きます。躍動感がありグルーヴィなベースがかっこいいです。4番のスイート・ベイジル・スイングはクラブ名を冠したオリジナル曲となります。チョッパヤの超絶技巧が聴けます。ペンタトニックの連打にまたも頭がおかしくなります。そしてラウンド・ミッドナイトでしっとりと締めます。

DISC2ですが、名曲中の名曲スタンダードのイエスタデイズから始まります。アート・テイタムのようなクラシカルなイントロからデリケートなテーマに繋げていき、自然な流れでアドリブが躍動するのですが、鳥肌が立つような情感と技巧に溢れています。まさしくヴァーチュオーゾといった洗練された演奏で、これだけでもこのアルバムを聴く価値があると思います。続いてマッコイのオリジナル曲リオですが、サンバの楽しい楽曲になっています。しかしマッコイらしい一筋縄ではいかないマッコイ的な展開を繰り広げる怪演となっています。5番のナイーマはマッコイを聴く上で避けては通れないコルトレーンの名曲で、いつも通りバラードでしっとりと聴かせます。何度も演奏されている楽曲ではあるのですが、どれを聴いても素晴らしいです。マッコイのコルトレーンに対するリスペクトが痛い程伝わってくる演奏だと思います。

 

マッコイ・タイナーはジャズピアノを少しでもやった人間にとっては本当に憧れのピアニストで、私自身マッコイの演奏が流れてくる度手を止めて聴き入ってしまいます。複雑なリズム感や独特のタイミング、フレージングで演奏のコピーが難しいピアニストでもあります。

そんな偉大なマッコイ・タイナーですが、唯一と言っていい欠点が音源をBGMとして使えない事です。どのアルバムも熱い演奏が多く、つい聴くことに集中してしまうのです。

そういった点に留意し、ぜひ気を引き締めて本作を聴いて頂ければと思います。良いスピーカーをお供にどうぞ。

気軽な演奏感、KORG microPIANOを買ってみたよ

今回は楽器のご紹介です。

私は日常的にピアノやキーボードといった楽器を弾いているのですが、88鍵盤や76鍵盤の楽器はサイズが大きく設置場所が限られ、好きな時に好きな場所へ移動する事が困難です。少し離れた位置に置いているデスクにほぼ固定状態のPCでYou Tubeのライブ動画を見ながらフレーズやコードを手元で確認したり、或いは海外ドラマやゲーム実況等の配信を見つつながら弾きをするのに手軽に使える卓上キーボードを探していました。そこで調べた所、KORGからオシャレな外見のミニキーボードが発売されているとの事で、価格も割と手頃だった為購入に至りました。

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画像の通り、天板が印象的なミニチュア・グランドピアノのような外見を持つキーボードとなっています。とても可愛いです。

スペックを簡単に記します。

・61鍵盤のベロシティ対応ミニキーボード搭載

・音源プログラム61音色

・内蔵ソング61曲

・ダンパー・ペダル対応

・ヘッドホン、LINE OUT端子搭載

・ステレオスピーカー搭載

・乾電池駆動可能

・重量5.2kg

KORGお得意のミニ鍵盤が搭載されており、タッチは軽いものの小気味良い触感となっています。私は本機で初めてミニ鍵盤に触れたのですが、タッチによる音量の調整も思ったより行う事ができ、ある程度本格的な演奏が可能だと感じました。

音源は61種類とそれなりに入っており、ピアノやエレクトリックピアノ、オルガンといったキーボードに要求される音色は数種類ずつ搭載されています。KORGらしいクリアで粒立ちの良いかっこいい音質となっています。また高品質なオルゴールの音色が複数搭載されており、トイピアノとしても楽しく演奏できるようになっています。簡易アルペジエータやソング機能も搭載されており、至れり尽くせりです。

スピーカーがついているのが嬉しい点で、これによりスイッチ押即演奏が可能になります。気軽に演奏できる楽器として大変重要な事だと思います。

乾電池駆動ができるとありますが面白い所で、友人との集まりの場や野外等、外に持ち出しての使用に便利そうです。

こういった機能を詰め込んで価格は2万円以下となっており、KORGの企業努力が伺えます。

 

社会的に不安が高まっているこの頃、やはり音楽は精神の安定に効果があると思います。

私自身も辛い時や迷いを感じた時など、演奏をする事で心が落ち着いた事が何度もありました。

鍵盤経験者の方はちょっとした遊びや癒しに、未経験者の方は手軽に始める事のできる楽器として、本機に触れてみて欲しいです。

不安な気持ちが少し和らぐと思います。

ファンク!ペインテッド・ピクチャーズ:タクシード・セッションズ

 今回はデトロイト・ミュージックのご紹介です。

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ペインテッド・ピクチャーズ:タクシード・セッションズ

 

1.Sweet Melody

2.Fine show your toes edit

3.Fine

4.Keep it in the pocket

5.Send me over

6.Livin'

7.Woody

8.Something

9.Fine Jhon Arnold remix

10.Livin' Alton Miller remix

11.Where do we go

 

私は日頃ヤフオクラクマといったサービスを使うのですが、先日ラクマのポイント消化のため安く出品されているジャズ系アルバムを検索していると直感的に気になるアルバムがあり、とりあえず購入してみた所素晴らしい内容だった為レビューします。

今作はデトロイドのプロデューサー、マリク・アルストンが編成したバンドによるセッション・アルバムで、ファンク・ジャズ・ヒップホップ等様々な要素を華麗に料理した刺激的な内容となっています。

デトロイトといえばフォードなど巨大な自動車企業が勃興した都市ですが、音楽的には様々な要素の音楽が独自に混じり合い発展している土地となっています。

マーヴィン・ゲイスティービー・ワンダーが所属していた、ソウルミュージックでお馴染みのレーベル・モータウン発祥の地であり、またケニー・バレルミルト・ジャクソンといったジャズ界の巨人たちの出身地でもあります。

90年代以降は印象的な16ビートとシンセサウンドで聴かせるダンス・ミュージックのデトロイト・ハウスが発生したり、またラップの天才エミネムが台頭しヒップホップ方面も賑わせるようになっています。

2005年発売のこのアルバムはそういった歴史的背景を消化したかっこいいアルバムとなっており、プロデューサーの確かな技量の程が伺えます。また各演奏者の技術も素晴らしいです。

 

では収録曲を聴いていきましょう。

ラテン調のジャズから始まる1番。冒頭に相応しい爽やかな曲です。そしてskitを挟み、フュージョン・ファンクの3番。更に雑多なファンクとなった現代的な4番と続きます。そして個人的に今作の白眉と言える5番Send me over。思惟的な16ビートから始まるこのジャズ・ハウスは軽やかにうねるグルーブと透明感のあるボーカルが一体となり迫ってくる佳作であり、曲の前半部から終盤までストーリーを感じさせるような、バンドの実力を見せつけるトラックとなっています。

6番はファンク、7番ではモダンジャズ調の演奏が繰り広げられ、8番では再びジャズ・ハウス的な楽曲となります。このバンドはオーソドックスなジャズは正直それ程うまくありませんが、ハウス、ファンク的な演奏は抜群に上手いです。

9、10番は収録曲のリミックスで、デトロイト・テクノ感溢れるトラックとなっています。最終曲11番はソウルやファンクといった要素を料理した現代的なダンスチューンとなっており、聴き応えがあります。

 

全体を通して野心的な曲作りがされており、恐らく普段はデトロイト・テクノのプロデューサーであろうマリク・アルストンの、ある意味本業から開放されたかのような自由な音楽感が伺える作品となっています。しかしやはり随所にデトロイト的なディープさが散りばめられており、デトロイト音楽の懐の深さ、また中毒性を感じさせられました。

 

買ってよかったです。

なぜ満腹でも甘いものを食べられるのか、別腹を探る

私はパートをしている(自己紹介参照)のですが、昨今のコロナウィルス情勢のご多分に漏れず勤務先が短縮営業となり、パート社員全員の勤務時間が短縮または休職となりました。そんな事に鬱屈としながら1時間に数本しかない帰宅電車に乗っていたのですが、ふいに友人からLINEが届きました。曰く、

なぜお腹が一杯でも甘いものは食べられるのか分からない

との事で、私自身もさっぱり分からなかったのでここに情報をまとめます。ちなみにその友人にも私にも過食症の気があります。そう、中年太りである。

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まず広く知られている事柄ではありますが、この手の話題で必須と思われる、満腹中枢について簡単に書いていきます。

満腹中枢は食事を司る中枢神経で、血糖値により刺激され満腹感を生じさせます。また噛むことにより満腹中枢が働きやすくなる事もダイエット界隈などで有名です。

それでは何故満腹中枢が刺激され満腹を感じた状態でも別腹的に甘いものを食べられるのでしょうか?

ここで分かりやすい記述を引用します。

人間の脳というのは「食べたい」「食べたくない」などの二元論でとらえきれるほど単純ではありません。匂い(嗅覚)、色や形状(視覚)、味付け(味覚)、食感(触覚)、あるいは過去の記憶なども複雑に絡み合ってこれらの中枢に刺激を与えています。そのため、胃腸の食物残存量による「実際の空腹・満腹状態」と「脳が感じる空腹・満腹」との間には実は乖離があるのです。

このため、実際には満腹だったとしても、摂食中枢の働きが満腹中枢のそれを上回れば、食べたいという欲求は生じます。そして、食事は先ほど説明した消化経路で部分的に一定時間の滞留はしつつも、順々に後の経路に向かって動いているわけであり、要は隙間が生まれるので、食欲が生じれば食べ物を口から消化経路に入れることは可能です。

出典:「甘いものは別腹」は本当? 嘘?? - 理由と併せて医師に聞いてみた | マイナビニュース

摂食中枢とは満腹中枢の反対の働きをする中枢神経で、血糖値の低下により刺激され空腹感を生じさせます。また上の引用記事にもありますが、食べ物に対する過去の経験や五感への刺激による期待感などによってもこの神経が働くようです。好物を目の前にすると唐突にお腹が空いたような気分になる事がありますが、これも摂食中枢によるものなのですね。

また、食べた物が消化経路を進んでいる限り食欲が生じれば食事が可能という記述には度肝を抜かれました。そうすると自らの消化スピードを把握して食物を摂取し続ける限り永久に食事が可能という事になりそうです。とんでもないです。

これで満腹状態でも甘いものを食す事が物理的に可能であることが分かりました。

次に、なぜ満腹状態でも甘いものが食べたくなるのかについてもう少し書いていきます。

満腹感には味覚も大きく関わっているらしく、同じ物を食べ続ける事でその食べ物の味や風味に対し飽きが起こり、感覚特異的満腹感という聞き慣れない感覚に陥るそうです。つまり味の傾向や風味の異なる複数の料理を並べる事で感覚特異的満腹感が薄まり、食事に飽きにくくなるという事です。食後のデザートはまさにそれです。こういった働きにより別腹は作られていくようです。

 

まとめ

さて、ここまで書いてきましたが、食欲は満腹になるか否かという単純な要素では語れず、複数の要因が関係している事がわかりました。そして当たり前の事なのですが、人間の欲求にはつくづく身体・物理的な理由が伴っており、根拠があるのだと再認識しました。

本稿を呼んで頂いた皆様は、もうおわかりかと思います。

色んな種類の料理を並べ、摂食中枢を刺激し、感覚特異的満腹感に陥らないように辛いものと甘いものを交互に食べる・・そうすれば恐らく永遠に食べ続ける事が可能です。

ストレスを紛らわすには、食べるしかないのだ...!

チック・コリア:Expressionsを聴いて

ジャズアルバムのご紹介です。

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チック・コリア:Expressions(邦題:星影のステラ)

 

ジャズファンにはお馴染みの天才ピアニスト・キーボディストのチック・コリア様による1994年のピアノソロアルバムになります。以下に曲目を書きます。

 1.ラッシュ・ライフ

 2.ディス・ニアリー・ウィズ・マイン

 3.イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー

 4.マイ・シップ

 5.時さえ忘れて

 6.モンクス・ムード

 7.オブリビオン

 8.パノニカ

 9.サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー

 10.アーマンドズ・ルンバ

 11.ブルース・フォー・アート

 12.星影のステラ

 13.アイ・ウォント・トゥ・ビー・ハッピー

 14.スマイル

チックはクラシックを学んだピアニストであり、伝統的なジャズからラテン音楽、また電気楽器を主体としたフュージョンまで幅広くかつずば抜けた仕事をこなすミュージシャンですが、ソロピアノ作品は多くなく、またその中でもスタンダートを中心とした作品は今作が初めてとの事で、発売当時反響を呼んだそうです。

2020年現在のチックは高齢の熟達したピアニストらしい、音数を抑えた情感ある演奏をする事が多くなったように思います。今作時のチックは52歳と、まさしく技術と精神が最大に結実した、いわゆる脂の乗った時期の作品となっております。

収録曲を聴いていきましょう。

 デューク・エリントン楽団で名高いピアニスト、ビリー・ストレイホーンの名曲ラッシュ・ライフの格好いいイントロから幕を開けます。マイ・シップ、時さえ忘れてなど美しいスタンダードが続き、チックがリスペクトしているであろうセロニアス・モンクバド・パウエルの楽曲に続きます。10番のアーマンドズ・ルンバはチックの自作曲であり、軽快なテンポとメロディーで楽しく聴かせる素晴らしい作品です。最終曲スマイルはお馴染みチャールズ・チャップリンの名曲で、終幕にピッタリの落ち着いた演奏となっています。

全体を通して有名なスタンダード、それもロマンチックな楽曲ばかりとなっています。しかしその雰囲気に飲まれることなく、あくまで冷静なチックらしい硬質な演奏が繰り広げられます。伝統的なジャズの表現に終始しており、いつもの前衛的なアプローチやスパニッシュなフレージングは聴けません。しかしそれが逆にチックが本来持っている素質、つまり根底にあるジャズイズムとでもいうべきものを引き出しているように思います。

文筆や在宅ワークの作業中BGMとしてぴったりのアルバムです。しかしふいにチックの流麗なピアノワークに心を打たれ、作業を中断してしまうかもしれません。

私は経験済みです。

屑だけが残った、騒音編

緊急事態宣言により外出自粛要請が出され、常識的な社会生活を送る人々が外出をしなくなった結果、主に厳選された社会のゴミのみが公道を爆音で疾走するようになりました。

そう、暴走族である。

私は国道沿いに住んでおり、常々彼らに苛立ちを覚えています。このGW中の暴走族の多さは異常です。共感して下さる方も多いかと思う所存です。気分の悪い話ではありますが、そういった公道の異常者達がどういったものか、またどうしたら彼らの被害を軽減できるかを調べていきたいと思います。

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まず、暴走族て何やの?

暴走族(ぼうそうぞく)とは、主に日本に見られるオートバイや乗用車を用いて騒音を伴う無秩序な運転をする集団。

 出典:Wikipedia

調べて解ったのですが、暴走族とは徒党を組み道路交通法違反を繰り返す連中のことを指すそうで、これとは別に走り屋という暴走族よりも仲間と緩い繋がり(よく解りませんが個人主義的な?)で道を走り回っている連中もいるらしいです。しかし分類が曖昧なので本稿では走り屋に関しても暴走族として扱う事とします。両者とも市民に著しい迷惑をかけている点では同じです。

その歴史を要約すると、

・1950年代より始まり、当時はバイクが高かった事から富裕層の若者が中心となっていた

・1970年代、バイクが安価になると不良少年達に普及し、それに伴い犯罪やグループ間抗争が激化した

・1980年頃全盛となり特攻服を着た連中が増える。社会現象化するが、それ以降は減少に転じる

・1990年頃には少人数グループが主流となり、集まる事よりも競走する事が重視される

・減少を続けるものの近年ではかつての暴走族OBなどがまた走り回るようになり、高年齢化が顕著となる

まともな点が何一つない。

何より一度引退した人間が中年になり再び暴走しているという事実に強い不快感を覚えます。一度反社会的行動に走った人間は将来も変わらないのでしょう。恐ろしいです。

 

ほな、誰がそれを取り締まるか

むろん警察です。地道に検挙をしているようですが、なかなか厳しいものがあるようです。最近の暴走族は単体で見ると騒音量はそれ程でもなく、また危険運転に関してもそれほど行っていないケースが多いようです。つまり迷惑ではあるが取り締まりが難しいという、最近話題になることも多いゴミ屋敷や騒音おじさんとある意味似たような状況に陥っていると言えます。

警察の活動に関しては私の住んでいる香川県のHPに、暴走族の騒音についての提言に対する回答が掲載されておりましたのでそちらを引用します。非常にわかりやすいです。

県警察によると、「警察本部や警察署が連携し、週末を中心にビデオや写真撮影などを活用した採証活動等による暴走族取締りを実施し、令和元年中は2グループ15人を共同危険行為等の禁止違反で検挙したほか、整備不良や空ぶかしによる騒音運転を道路交通法違反として検挙しております。ご指摘の整備不良のバイクの押収ですが、当該バイクについては、道路運送車両法等の関係法令を適用して押収したのち、香川運輸支局から整備命令を発出し、当該バイクの所有者に違法な改造を改善させるなどの対策を講じています。しかしながら、高松市などを中心に香川県内の幹線道路では、未だに単独または集団による爆音暴走行為が認められることから、この種の違反行為の検挙を重点に、道路交通法道路運送車両法等のあらゆる関係法令を適用した暴走族取締りを実施してまいります。」とのことですので、ご理解をお願いいたします。

出典:香川県HP 県民の声

コロナウィルス問題における警察の方々の活躍には本当に頭が下がります。愉快犯への対応など心労が募っていると察しますが、暴走族の検挙にもこれまで通り取り組んで頂ける事を願います。

 

総括、我々に何ができるかを考える 

やはりまずこまめに通報しましょう。警察の相談窓口へ電話するのも良い手段でしょう。しかしそれでもどうにもならなければ、やはり他の騒音問題のケースと同じく自衛手段を取るしかないような気がします。防音措置を講じたり、賃貸にお住まいの場合いっそ引っ越しをしましょう。もしくは政治家にでもなって社会を変えましょう。選挙カーという騒音問題を抱える政治家に問題を解決できるかどうかはわかりません。

僕は手軽にできる防音対策として、月並ですが独立無線イヤホンを装着していました。しかしイヤホンを付け続けるのはそれはそれでストレスの要因になりますので、トレードオフになると思います。

それと蛇足ですが、安易な報復行為に走るのは頭の中だけにしましょう。暴走族と検索すると予測キーワードにピアノ線という言葉が出てきます。道路にピアノ線を張り暴走族に損害を与えるという行為ですが、恐ろしい事です。

緊急事態宣言が延長され、GWが終わっても休業要請が解除されていない業種も多々あるかと思います。暴走する連中はしばらく減らないかもしれません。

結局この投稿で何が書きたかったかというと、

心底苛ついた

という事に尽きます。皆様が騒音の被害に合わない事をお祈りします。

 

最後にこのブログについてのご紹介 

 第一回は怒りの投稿となってしまいましたが、以降は音楽や漫画、海外ドラマについての紹介などを楽しく書いていけたらと思います。その他、気になった物事を調べ物をしながら書く事もあると思います。

感動や哀愁を共有できたら幸いです。